秘密。
それから10分もしないうちに男は確保。




人数が人数だし……。


気絶したように動かない男をやってきた黒塗りのワゴン車に詰め込んで追っ手の男達もバラけていった。 何だったんだろう?


一部始終を見ていたあたしは不思議に思いながらも男達がいなくなったのを確認すると道へと出た。



あれが紅華?……違うかな?

……あたしには関係ないか。

気を取り直して冬真でも探――…




「誰だ」




せそうにない…、かも。


道にでて住所の紙と睨めっこしてるあたしの後ろから不意に聞こえた低い声。


さっきの奴ら?

あれれー……もう行っちゃったんじゃなかったの?


もしかしなくても「誰だ」ってあたしのことだろうし……。



「……はい?」




振り返ったみれば……紫髪に黒メッシュの男。カッコいい?かも。





あたしと目が合うと男は眉間にシワを寄せて




「誰だって聞いてんだろ」



偉そうに言ってくる。



この人も周と同じようにカルシウム不足かもね。




てかこの状況どうしよう。




「…別に誰だっていいじゃん」



「お前、さっきの見てただろ」




ぎっくーん。



バレてたのね、アハハ。



「バレてた?けど不可抗力だからね。見たくて見てたワケじゃないし」



こんなとこでおい駆けっこしてる方が悪いっての。朝っぱらから。




「で、誰」



「だから誰でもいいじゃん。知りたいならそっちから名乗ってよ」




「自分からは名乗らねぇ主義だ。お前、誰」




自己中ー!



何コイツメッチャ自己中。



「……名乗ったら言っていい?」



面倒なことには巻き込まれたくないし。



男はしかめっ面のまま少し黙って




「…ああ、分かった」



そう言った。



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