秘密。
第一章

帰郷



風が、頬を叩く。



バサバサと自分の髪が揺れて後ろへ流れていった。




「さすがに日も暮れてきたかー…」




溜息混じりに吐いた言葉も後ろへと流れて消えた。



7月に入り、だんだんと日も長くなってきた今日この頃。



だけど現在午後7時半過ぎ。



少しずつ日も傾いてきている。




「やっぱアイツも連れて来るべきだった…」



今頃何も知らないままに過ごしているだろうアイツの事を思い起こしながら呟いた。



あたし、神楽悠(カグラユウ)。今年で17。



普通なら高校に行ってるだろう歳だけどあたしは高校生じゃない。



だからって就職して働いてるワケでもない。



そのわりに、金だけは有り余っていてこんな大層なバイクまで買って乗ってる。



もちろん無免許。もちろんってのはおかしいけど。



ま、捕まることはないだろうし特に気にせず偽免許証でも作って乗り回してる。



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