秘密。



楓は一旦言葉を切って大きな欠伸をした。





「…じゃあ、あたしがいなくなった理由とかも聞いてる?」




「おー家出したんだろ?家出の理由とかはさっぱり分かんねぇけど、きっと俺のせいだって言ってた」




冬真のせい?




「それ、どういうこと?」



もしかして冬真も知ったの?



あたしはドクリと波打つ心臓をけしかけて楓に詰め寄る。




そして楓が口を開こうとした時、一台の車があたし達の目の前に停車した。




車の種類とか分かんないけど見るからに高級車。


銀狼にもこんな感じの車はある。





「お、来た来た」




楓はベンチからすっと立ち上がると車の方に歩いていって後部座席のドアを開けた。




「やっぱし寝てやがる。おい、着いたぞ!起きろ!」



溜め息をついて後部座席に怒鳴り付ける。



ここからじゃ開かれたドアが邪魔でそこに誰が乗ってるのかは見えないけど………多分、冬真。





「お前、南(ミナミ)足に使ったワケ?」



「んー…っ」




「ほら起きろって!」




南?…車の運転手さんかな?顔はみえないけど。




でも楓があんなに大声出してるのに起きないなんて……やっぱり冬真なんだぁ。



口調とかは変わってても寝起きが悪いのは変わんない。




< 26 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop