秘密。
「子供だね〜」
茶化すあたしに冬真は「…ん」と小さな声を漏らす。
「…突然いなくなって、ごめんね」
ごめんね、冬真。
本当はすぐに言わなきゃいけない言葉だった。
もう一度「ごめん」と言って冬真の頭をゆっくりと撫でた。
2年という時間の中で随分と後悔した。
冬真を置いてきてしまったこと。
けれどあの頃のあたしは無力で、何もすることは出来なかった。
人を、傷付けることしか出来ない無力な人間。
それは今も、変わらない。
けど、変わったモノもあった。
力を持って、たくさんの“黒”を理解して、生き抜くすべを知った。
そう。
変わった。
あたしは、変わった。