秘密。




冬真の後に続いて高級ホテル並みのフロントを通り、エレベーターに乗り込むと



「…52階、ね」




押したボタンは当たり前に最上階。



部屋のロックは指紋認証とカードキー。


厳重だねぇ。




部屋に入ると飛び込んで来たのは全面ガラス張りのリビング。


中央に敷かれたカーペットの上に黒いソファが2つおかれただけの部屋。





「生活感ないねぇ」




「あんまりここ、帰って来ないから」



「溜り場ってトコに入り浸ってるの?」



「…ごめん」



「謝んなくっていいってー。あたしもいろんな所で寝泊まりしてたし」



今に至ってはあたし以外は男ばかりの溜り場で生活してるんだから。




あたしは冬真の頭をポンポンと叩いてソファへと体を沈ませた。



ガラスの向こうはこの街全体が見渡せている。


夜になったら夜景がすごいんだろうなー。
イイトコ住んでんじゃん。

< 31 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop