秘密。



現在午前7時少し前。



今日は平日で学校も普通にあるんだけど……。




「……スー」




冬真はあたしの膝の上で眠ってる。



膝枕なんて小学校以来だなぁ、って思う反面。



「起こした方がいいのかな……?」




学校あるだろうし…。




うーん、と悩んでいるとバカでかい着信音が響いた。




びっくりして肩を上げるあたしの膝の上で冬真は五月蝿そうに表情を歪めてポケットから携帯を取り出した。




そして目を瞑ったまま電話に掛かると




「うっせぇんだよ。勝手に人の携帯弄ってんじゃねぇよ、クソが」




超不機嫌な声でそう吐き捨てさっさと電話を切った。



言葉遣い………荒くなったね、冬真。




なんだかもうどうでもよくなったあたしの下で冬真はムクリと起き上がって大きな欠伸を漏らす。





「おはよ」



「ん…はよ」



まだ眠たいのか曖昧な返事をして目をしばたかせる。



本当に寝起き悪いんだから。









その後、冬真はスローペースで学校に行く準備を始めた。




朝食以外の準備を済ませるのに一時間位かかってる。



こんなんで学校間に合うのかな?




一方であたしは。





「何してんの?」




「ん?軽くスコーンでも焼いてみた。朝食にいいかなって」





スコーンなら簡単だし材料もそろってたし。




「食べる時間ある?」



「うん!ある!」




冬真は満面の笑みを浮かべてスコーンにかぶりついた。



次々と食べ進める冬真を見て、あたしの分なくなっちゃいそうだなって思ったけど美味しそうに食べる冬真を見てたらどうでもよくなってしまった。



< 33 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop