秘密。
部屋に着くなり男はあたしの身体をベッドへと沈ませた。
予想通りイイ具合にフカフカ。
あたしは服の中へと侵入してくる手を掴んで
「ダメ」
クスリと笑った。
男は怪訝そうに眉間にシワを寄せる。
せっかちな男。
あたしは少しだけ身体を起こし男の唇に自分の唇を重ねて
「先にシャワー…いい?」
そう言った。
そうすると男はすぐに期限を直したのかあたしの上から退く。
「ありがと」
あたしは笑みを残してシャワーを浴びる為服を脱ぎ
「……バカな男」
バックに忍ばせて置いた白い錠剤を取り出し濡れない所に置きシャワーを浴びた。
あたしがタオル一枚身体に巻き付け出てきた時には男は興奮気味で
「次、入ってきて?」
そう言うと足早にシャワールームへと消えた。
あたしは冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して一口飲み
「おやすみ♪」
隠し持っていた白い錠剤をポチャン、とペットボトルの中へと沈めた。
男が戻ってきた時あたしはそのペットボトルを「水分補給しといたら?」と言って手渡した。
それからはいつも通り。
あたしの言葉に引っ掛かった男はその水を一気に飲み干した。
すると
「…っ!?」
男の身体がよろめき床へと崩れる。
「大丈夫?」
「…おま、え……っ」
「もう眠たい?いいよ寝て」
「な、にを…っ、飲ませ……!」
「無理しないでいいよ。眠いんでしょ?ほら、焦点あってない」
クスクスと笑うあたしに男は焦点の合わない目であたしを睨み付け手を伸ばしたけど
「そこで寝て。あたしはベッドを使うから♪」
その手は力なく床へと落ちた。