傷×恋=幸
夜になって帰ってきた親父と母ちゃんは俺の頭を触りまくって。



「髪切ったら老けたって」

「あたしは好きかも、カワイくて」

「それにしても思い切ったな」

「サルみたい」



うるせぇ…。



俺はふてくされてんの。



ちーにちょっかい出せるわけじゃねぇし…。



悠都が帰る前に部屋に入って布団の中。



俺が寝てると思ったのか、夜中に静かに部屋にやってきた悠都はもうシャワーを浴びたらしい。



「起きてたのかよ」

「寝れねぇ」

「昼まで寝てっからだろ?」

「悠都、俺って性格悪いよな…」

「知らねぇよ。兄弟としてしか接してねぇんだから」



弟なんてそんなもんだって言われた。



なんか今日はホント、暗いよ俺…。



「親父も母ちゃんも寝てんぞ」

「知ってる」

「千衣ちゃんとこ行って寝顔でも見てくりゃあいい」

「えっ!?なに言ってんの!?な、なんでちー!?」

「付き合ってんだろ?」



何で知ってんの!?



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