傷×恋=幸
ドアを開けてユズさんの顔を見たら涙が溢れた。



「ごめんなさいっ…」

「やだっ…泣かなくていいよ!!ふたりがそうなったことに対して怒ってるんじゃないんだから」

「でもっ…黙ってた…から…」



笑って頭を撫でてくれて。



ユズさんは本当に優しい…。



「家族だって言えないことはあるんだから。泣かなくていいの」

「サキさんにも謝るっ…」

「サキは喜びそうだけど…」



さすが長年一緒にいるユズさん。



サキさんが帰ってきてから風都と一緒に付き合ってることを言ったら喜んだ。



「風都っていい趣味してんだな!!」



だって。



それに対して風都はいつものごとく悪態をつき、サキさんが愛の溢れる鉄拳を笑顔でくらわせてた。



やっぱりあたし、この家が好き…。



「デキ婚はダメだからな!!あれはダメ、大変だから。せめて高校は卒業するように」



そう約束して笑顔で認めてくれたご両親には感謝してもしたりない。



< 117 / 300 >

この作品をシェア

pagetop