傷×恋=幸
後部座席で横になってたらあっと言う間に着いた病院。



夜間の救急外来から入って久し振りに見る叔父さんの顔…。



「久しぶりだ、悠都」

「風都だし…」

「風都も悠都も変わんない」

「変わるから。別人だから、それ…」

「まぁいい。座れ」



よくねぇよ…。



真面目な叔父さんとは正月くらいしか合わない。



叔父さんが30の時、同じ病院で働いてた女医さんと結婚した。



キレイな人だけど、頭がよすぎて何言ってんのかわかんねぇから俺は嫌いだ。



叔父さんも好きか嫌いかと言われれば…嫌いだ。



ムカつく。



「残念だな…」

「へっ…?俺、どっか悪いの?」

「頭が悪い」



ほら、ムカつく。



叔父さんなりのコミュニケーションだってのはわかってるけど。



「医者なら頭よくなる薬出せよな」

「昔から言うだろ、バカにつける薬はないって」

「絶対いい死に方しねぇよ、あんた」

「望むところだ」



なんか余計悪化した気がする…。



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