傷×恋=幸
なんか嬉しくなって風都と別れて教室に入った。



机はなんともないのかと思えば花瓶と花が乗ってるじゃないですか…。



古典的なイジメ…。



「誰がやったかわかる?」

「知らねぇけど悪趣味だよな、こういうの。片づけてやろうか?」

「いい、平気だから」



隣の席の男の子と初めて会話した。



花瓶を持って廊下に出て。



「どうした?花なんか持って」

「机の上に置いてあった…」



風都が隠されたくないって言ったから、全部報告することに。



あたし、誰とも関わってないからイジメられる要素ないもん。



こんなのに負けないもん…。



「よしよし」

「えっ?」

「泣きそうだから」



頭を撫でてくれた風都にキュンとして、花なんかどうでもよくなった。



あたしって風都が必要としてくれるから生きてるんだし。



こんな他人の悪事は気にしない。



「バカらしくなってきたよ」

「相手にすんな」

「うん、ありがとう」



少しだけ強くなれた気がする。



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