傷×恋=幸
ちーは母親に面談のことを連絡した。



隣に座って聞いてた俺の耳に届いたのは『めんどくさい』の一言。



その後にわかったと言って、当日は本当に来た。



俺と母ちゃんは一緒に住んでることを伝えただけで、始まってしまった面談中、不安で仕方なかった…。



安定しかけてたちーの心のバランスが崩れたら…。



母親の心ない一言で、ちーはきっと暗闇に突き落とされる…。



15分後、教室から出てきたちーの瞳には光なんか見えてない。



なに…言った?



「あの…、お茶でも飲みませんか?」

「いいですよ。お話したいこともあるし」

「風都は千衣ちゃんと帰ってなさい」



母ちゃんにそう言われたけど…。



俺はコイツに言いたいことがある。



「俺、夏川風都っていいます」

「…………」

「ちーのこと傷つけたら…母親だろうが許さねぇから。ちーをあんたんとこに返す気もねぇし、もう会わせる気もねぇ。そういうことなんで」

「そう」



それだけだった。



母ちゃんとなにを話すのかスゲー気になって。



だけど俺が話を聞いたらキレてなにするかわかんねぇ。



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