傷×恋=幸
ちゃんと自分の足で立てるようになったら、学費も生活費も返していこう。



それまでしばらく、お世話になります。



涙が止まったまま部屋に戻った。



「よかったっスね、ちーちゃん」

「全部風都のおかげだね…」

「そうか?」

「うん、ありがとう…」

「じゃ、ますます俺の言いなりだ」

「今でもいいなりじゃないけど?」

「これからなるの。俺に従順に…な?」



優しいキスでもっと幸せ…。



あたし、幸せだ…。



風都に出会わなきゃ知らなかったこと…。



キスが幸せだなんて知らなかったけど…苦しいっ!!



「んっ…風っ」

「おやすみ~」



へっ…?



今のキスはいつもエッチする前の…感じじゃなかった?



あんなにあっさり引き下がられると…。



なんか不満なんだけど…。



その夜、不思議な安心感に襲われてぐっすり眠れた。



学校に事情を話してくれるとユズさんが言ってたから大丈夫だろうし。



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