傷×恋=幸
ヒマを潰そうと倉庫を出た時、ふと上を見上げたら音がした。



ちーが誰かにフェンスに突き飛ばされてる。



相手も女っぽい…。



ケンカか?



何を言ってるのかは聞こえない。



ちーが傷つけられるのは絶対イヤだ。



「風都?」

「野暮用っ!!」



屋上まで全力疾走。



屋上のカギ、持ってるヤツ多すぎだからっ!!



急いで向かった屋上では髪を掴まれてる…相手?



「ちー…?」

「風都っ!?あっ、コレは…ムカついたから風都の真似してみただけで!!」



たまにちー相手にボクシングとかしてるけどさ…。



真似してできるようなもん?



「何が原因?」

「風都がみんなのものじゃなくなったのはあたしのせいだって…」

「ははっ!!それでケンカかよ」



近づくと相手の髪を離したちーが俺に抱きついてきた。



うん、ケガはしてないな。



「風都はあたしんだから絶対あげないっ!!」



そう言い放ったちーに胸がキュンと苦しい…。



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