傷×恋=幸
そんなに俺が好きか。



カワイイな、ちー…。



「コレほっといてどっか行こう」

「どこ?」

「風都達の倉庫でいいよ」



ちーの要望に応え、屋上からまた倉庫に戻った。



ありゃりゃ…。



クロが女連れ込んでる…。



ちーには刺激が強すぎて、一瞬にして倉庫から出て行った。



「他行くからごゆっくり」

「あっ、美術室開いてる。はいカギ」

「おぉ、助かる」



美術室は授業もなければ物置みたいになってて、この倉庫をもらう前に俺達が見つけた場所。



場所的にめんどくさい遠さだから滅多に行かない。



久しぶりに向かった美術室にはやっぱり誰もいなかった。



カギをかけるとまた抱きついてくるちーをソファーまで連れてって膝の上に乗せると、首に手を回して来た。



珍しく甘えてきてる…。



「どうした?」

「風都は絶対あげない…」

「まだ言ってんのかよ」

「だっていつも言われるもん。みんなの風都だって…」



俺はみんなのじゃない。



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