傷×恋=幸
別れ方は普通じゃなかった。



俺が数人と浮気して、女にひっぱたかれたのは初めてだったっけ。



ムカついてコイツの友達ともヤったし。



恨んでんのかと思ってた。



「ちー、ちょっと先行っとけ」

「なんで?ってか…なんで…?」

「話してくる」

「意味…わかんない…」



なんにもねぇから。



ただ謝りたいだけ。



ちゃんとした恋を知ってしまった今、トモの顔見たら罪悪感…。



俺だって今までテキトーなことやってたんだよな…。



申し訳ないから一言謝りたい。



純粋にそう思える俺は、もしかしたら少しだけ大人になったのかも。



「離せ、ちー」

「ヤダよ…」

「すぐ行くから。俺の言ってる意味わかるよな?」

「風都のバカ…」



どうしても離れたくなかったのか、ちーは泣きそうな顔をしてた。



トモも申し訳なさそう…。



「彼女…さん?」

「まぁそんな感じ」

「フウちゃん、ちゃんと恋したんだね」



あの時はごめんって、謝ったらちーを追いかけよう。



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