傷×恋=幸
必要と
【風都】



変なのに声かけた…。



でもやっぱり、目の前で飛び降りられたら気分はよくない。



阻止はしたものの…。



理由は聞かずに家に連れ帰った。



ソファーに座るちーと母ちゃん。



親父も休みらしく、ダイニングテーブルでチラチラとちーを見てる。



さっきから母ちゃんと話してる内容はよく聞こえて来ない。



テレビの音が邪魔だ。



「彼女…じゃねぇんだろ?」

「知らねぇもん。さっき自殺しようとしたから止めたらこの有り様」

「そうか…」



ちーはボロボロ涙をこぼし、母ちゃんが背中をさすっている。



どうすんの、アレ…。



「サキ、ちょっと」

「あっ、うん」



親父が母ちゃんに呼ばれて寝室に行った。



どうするかってことだよな?



俺はちーにアイスココアを作ってやって。



「飲んでいいぞ。特別な」

「ありがとう…」



真っ赤な目をしたちーが痛々しかった。



コイツは本当に居場所がないのか…。



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