傷×恋=幸
先に車に乗り込み、泣いてるちーに渡したティッシュ。



戻ってきた親父も何も言えなくて、そのまま車を走らせた。



「どこ向かってんの?」

「実家」

「祖父ちゃんとこ?」

「ん、診断書だけはもらった方が良さそうだからな」



なんの診断書?



母方の実家は病院をやってて、3人で中に入って祖母ちゃんに親父がいろいろ説明した後、ちーが診察室に入っていった。



「虐待?」

「だと思う。ユズの話しによると腹いてぇって言ってたみたいだしな」

「母ちゃんは全部聞いたんだな」

「そりゃあな。って、お前知らないわけ?」

「うん、泣き着かれたから連れてきただけ」



しばらく待ってたら祖母ちゃんと一緒にちーが出てきた。



親父と話してて、俺は先にちーと車ん中。



「迷惑かけてごめん…」



ボソッとそれだけ言われた。



別に理由が知りたいわけじゃない。



不思議に、ただそばにいればいいんだと思ったから。



何も言わずに座っていた。



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