傷×恋=幸
あたしのすべてが風都で出来てるんじゃないかと思うくらい。



なんでこんなに好きなのかわからない。



だけど大好き…。



次の日、いつもと変わらぬ風都は接客。



あたしも慌ただしくバイトに励む。



あたしと風都のことはバイトさん達にはバレてるけどなにも言われない。



「くぅ~…、マジしんど…」

「さすが初売りって感じだね。この混み具合で嬉しそうなのはサキさんだけ~」

「休憩、残り何分?」

「あと20分」



休憩室で風都とふたり。



珍しくバイト中にタバコを吸い始めた風都は相当疲れてるみたい。



「寂しいの、消えたか?」

「あっ…うん…」

「俺、彼女が泣いて寂しいって言ったらすぐ駆けつけるような温い男じゃねぇから」

「わかってるよ…」

「旅行、甘やかしてやるよ。そん時まで頑張れ」

「が、頑張るっ!!本当にやる気出て来ちゃったんだけど!!」

「くはっ!!単純すぎんだろ~」



旅行まで寂しくても頑張る!!



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