傷×恋=幸
新幹線の窓から見えた景色にがっかりしてたけど、実際降り立つともっとがっかり…。



「雪だよぉ~!!すっごいつもってるね!!」

「最悪だな…」

「雪も嫌い?」

「冷たいのと寒いのは嫌い」

「テンションあがっちゃうのはあたしだけか…」

「はしゃいでもいいけどコケんなよ?」



今日は大概のことなら多めにみる。



ちーが俺をバカにしても、男がらみのヤキモチも。



今日はちーをずっと笑わせてたいと思うから。



楽しそうなちーを眺めてたら、ギュッと俺の腕に抱きついてきた。



「あたし、修学旅行以外で旅行って初めて!!」



満面の笑みでそう言われ、俺の胸がキュ~ッと苦しくなる。



やっぱりいいな、ちーって…。



「彼女と旅行、初めて」

「じゃあお互い初体験だね!!」

「よし、まず荷物をどうにかする」



持って歩くには大きくて邪魔な荷物をコインロッカーに預けた。



身軽になって、目指したのはちーが食いたいと言った鍋焼きうどん。



「ここでよくね?」

「老舗って感じだね。鍋焼きうどんって書いてあるし!!」



本当に楽しそう…。



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