傷×恋=幸
お土産はまず諦めさせ、店を見てから荷物をコインロッカーから取り出した。



「場所わかんねぇから地図見ながら行くぞ」

「温泉街にあるんでしょ?遠いのかな?」

「結構歩くかも」



俺とちー、貧乏学生なわけたからタクシーなんて贅沢できない。



歩くしかない!!



手を繋いで旅館のパンフレットを見ながら歩いた。



小さく載ってる地図を頼りに。



山道を一緒に歩く。



ただ歩いてるだけなのに嬉しそうなちー。



「楽しそうだな」

「風都と24時間一緒なんて久しぶりなんだもん」

「元旦一緒だっただろ」

「元旦は他の人もいたもん。ふたりきり、嬉しい!!」



俺も嬉しいよ。



ちーのせの顔見てると幸せな気持ちになれる。



「遠いね…」

「5キロもねぇから頑張れ」

「タクシー…ムリして乗ればよかった…。昨日ワクワクして眠れなかったんだよぉ~…」



ガキか!!



でもそんなに喜んでくれてたのは俺的にも嬉しい…。



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