傷×恋=幸
いつの間にか朝。



いつ寝たのかすら覚えてない。



ボヤケる視界で風都の方を向くとボーッと天井を見上げてた。



「おはよ…」

「ん、はよ…」

「いつ起きたの?」

「今…。何時?」

「7時…前だね」

「散歩行くか」



散歩!?



なんかその響き、久し振りな気がする…。



着替えて朝の外に出た。



温泉の硫黄の匂いと、白い息。



寒いけどなぜか暖かい。



道の所々に雪が積もってていつも見ている景色とは違う。



風都の手がポカポカだ…。



「何かいいね、こういうの」

「こんな朝から散歩とか初めてかも」

「まだ帰りたくないなぁ~…」

「帰ったらまた離れんのか…」



なんだか風都らしくないな…。



素でそんなこと言う人?



「離れたくないの?」

「離れてぇの?」

「離れたく…ないけど…」



なんだか顔が熱くなる。



こんな穏やかな風都、滅多にないよ…。



なんだか戸惑ってしまう…。



どうしよう…。



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