傷×恋=幸
ちーが店に入ってきたのを見て、なんだか言いようのない苛立ち。



パーマなんかいつかけた?



茶色い髪はいつ染めたんだよ。



「ごめん!!遅かった…よね?」

「テメーで指定しといて20分も遅刻って、マジねぇから」

「だって風都に会えるからって…美容室行ってから来たら遅くなっちゃったんだもん…」



そういうことか。



俺に会うためにパーマかけて髪まで染めたわけ?



バカじゃねぇの。



嬉しくて怒れねぇだろボケ。



「とりあえず…座れよ」

「うん!!今日どこ行く?」

「決めてねぇ」

「じゃあ散歩しようよ」



ちーの好きな散歩。



デートだけどただその辺をうろうろするだけの。



それで満足するらしい。



手なんか繋がないのは元からだけど、久しぶりに会ったちーに触りたい俺がいる…。



さりげなく握った手にビックリして目を丸くしたちーに照れてしまいそうだ。



「髪切ったの、似合うね」

「っせぇから…」



マジ照れる…。



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