傷×恋=幸
まだこの家に来てから1週間足らず、学校はバラバラに行くし、校内で会っても話しかけたりしない。



あたしがこの家にお世話になってるのは秘密なのかも。



「前から思ってたんだけどさ、千衣ちゃんって視力よくない?」

「よくないです」

「明日休みだし、買いに行こうか、コンタクト」

「行きます!!」



明日はユズさんとコンタクトを買いに行く約束をした。



お風呂は誰かに入ることを宣言してから入らなきゃ危ないからと言われ、事前に報告。



ゆっくりお湯に浸かり、風都達と同じシャンプーを使う。



洗濯は別にしてもいいと言われ、下着は部屋に、後は自分でベランダに干す。



そんなに気にしてないのに、ユズさんはあたしをとても大事にしてくれてる。



『ジジイのパンツと一緒に洗うなんて絶対イヤでしょ?年頃だし。だから洗濯は自分でしてね』



そう言われて吹き出した。



サキさんはあたしから見てもジジイなんて歳じゃないんだもん。



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