傷×恋=幸
ご飯を食べたら学校へ向かう。



初めて今日は風都と同じ時間に出た。



「一緒に行ったら風都のこと好きな子にイジメられそう…」

「ちーってか弱い系に見えねぇけど」

「か弱いよ。それなりに」

「すげーギャップ」



風都くらいだよ、普通に話してくれるの。



だから毎日が楽しいのかもしれない。



「だけどね、風都に彼女できたらあたしってすごく邪魔だと思うんだよね」

「俺は女なんか作んねぇよ」

「どうして?」

「女は平気でウソつくし。俺、バカだから騙されるし。だから女なんか信じねぇ」

「あたしのことも信じてないの?」

「ん、お前も女だから」



ショックだった。



あたしの恩人である風都にはわかっててもらいたかった…。



こんなに心を開いてるのは初めてかもしれないのに…。



「過去になんかあったの?」

「あ?お前に関係あんの?」

「えっ…」

「余計なとこまで踏み込んでくんじゃねぇよ」



やっぱりあたしは…ひとりかもしれない…。



< 37 / 300 >

この作品をシェア

pagetop