傷×恋=幸
風都の存在があたしの中では大きくて…。



言葉のひとつに影響される…。



急に怖くなって…足が止まった。



「なにやってんだよ、行かねぇの?」

「風都…風…都…」

「どうしたよ」

「あたしっ…いらない…?」



わけがわからなくなりそうで…。



風都に拒絶されることがこんなにも苦しいなんて思ってなかった…。



「バッカじゃねぇの。そんなこと言ってねぇよ」

「…………」

「ちー、メンタルヤバくね?大丈夫かよ」

「だい…じょ…ぶ…」

「お前、何のために生きてんのか、とか、考えてるわけ?」

「う、ん…」

「そんなもん、俺だってわかんねぇから。生きてんだから死ぬまで生きりゃあいいんだよ」



ぶっきらぼうにそう言った風都。



死ぬまで生きる…。



あたしには理解できなかった。



風都にいらないって言われたら…あたしはきっと壊れると思うから…。



「ちー、強くなれ」



そう言って腕を掴まれて歩き出した…。



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