傷×恋=幸
道を外したら容赦しないだろうけど、俺はバレるようなヘマはしねぇよ。



いちいち親の顔色伺ってちゃなんにも出来ねぇ。



「風都、俺もゲームやりてぇ」

「お前下手だからダメ」

「ってかお前のじゃねぇだろ。俺が買ったんだし」

「うっせぇ。マジうざ」

「お前って生まれてからずっと反抗期?」



悠都にはわかんねぇよ。



俺が悠都に感じてるモノ。



人当たりもよくて、基本優しくて、みんなの人気者で。



頭だって悪くない、友達の多いしっかり者の長男。



弟は昔から天の邪鬼と言われ、親以外は俺をダメ人間扱い。



リビングにある飾り棚の中だって、悠都のもらったトロフィーとか賞状の方が多い。



野球をしてた悠都と比べられるのがイヤで、俺が選んだのはサッカー。



それも中途半端にやめて遊び回ってる。



羨ましいよ、悠都が。



「やめた」

「俺やるよ?」

「好きにすれば?」

「お前のセーブデータ消していい?」

「殺す」



俺も悠都に生まれたかった…。



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