傷×恋=幸
まずかったと思い直し、部屋に向かった。



ドアを開けるとベッドに座って膝を抱えてるちーがいて。



「あんなもん挨拶だろ?」

「バーカ…あっち行け…」

「怒ってんのか?」

「怒ってたらなんなの。風都って超軽い!!」



軽い?



軽いね、俺は。



真っ暗な部屋のドアを締めて近づくと、ビクッと警戒してる。



ピュアな反応が面白くてそのままベッドに座った。



長い髪を一束握り、それで遊んだ。



「超軽いよ、俺はね。高校入ってから何人食ったかな…。お前もそのうちのひとりになんの」

「食べたきゃ食べたらいいじゃん…。そういう約束だったし…」

「へぇ~、キスもしたことねぇのに度胸あんじゃん」

「カウントしないから、別にいい」



イラッとした。



カウントしねぇ?



マジムカつく…。



「ふざけんな…」

「風都が大勢の中のひとりにするなら、あたしはカウントしない」



か弱いなんてウソもいいとこ。



強気じゃん。



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