傷×恋=幸
風都が故意に言ってないんだとしたら、あたしからは口が裂けても言える立場じゃない。



「ちーと同棲中」

「「はぁ!?」」

「なんか問題あんの?」

「変な言い方しないでよ!!あたしはただの居候!!同棲じゃない」

「ちーが怒ってる」

「風都が変なこと言うから!!」



あたしと風都のやりとりを見た成川君は面白そうに笑っていた。



麻衣子も成川君の前では比較的おとなしくてカワイイ。



そしてふと、あたしがここにいてもいいのかと、客観視して不思議に感じた。



薄暗くなってきて、たこ焼き会も解散。



もちろん、あたしは風都と同じ道を歩く。



「変わったな」

「変わった?」

「ちー、不安定じゃなくなった」

「そう…かな…?」

「必要とするヤツ見つけたからじゃねぇの?」

「風都のこと?」

「は?なんで俺だよ。麻衣子のこと」



今…無意識に風都の名前を出したけど…。



風都がバカでよかった…。



あたしの気持ちに気づいてはいないようだ。



< 56 / 300 >

この作品をシェア

pagetop