傷×恋=幸
あたしだけが動揺。



あたしだけが気まずい。



ご飯中、風都は全く気にしてないようだった。



寝る前に部屋にやってきた風都の顔を直視できないあたし。



「気にすんなよ」

「気にするから!!お年頃ですから…」

「温いね~、ちーちゃんは。ケツ見たぐらいでギャーギャー騒いじゃって」



あたしが見たのはケツじゃない方だよっ!!



ケツの方がどれほどマシだったか…。



ちょっと好きじゃなくなったもん…。



「あっ…、カラダにあるの、痣?ケンカしたの?」

「最近ケンカしてない」

「じゃあ…」

「コレだろ?キスマーク」



き、キスマーク…?



ってか脱がなくていいし!!



「なんでそんなにいっぱい…?」

「1人が付けたら対抗心で次の女もやる。それが増殖」

「なるほど…」

「気持ちわりぃからもう付けさせねぇ」

「そんなに女の子が好きなの…?」

「逆だろ。たぶん、嫌いなんだ」



珍しくまじめに答えてくれた風都はなんだか少し悲しい目をしたように見えた。



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