傷×恋=幸
手をつなぐわけじゃない。



付き合ってるわけでも、セフレでもない。



友達かと言われたら…微妙?



街を歩いてたどり着いたのは大きな公園。



「ジュース飲む…熱い…」

「俺、水な」

「自分でお買い上げになられてくださいまし」

「ケチ」



暑くて噴水の近くに座り、水を飲んだ。



最近、少し太った気がする。



俺じゃなく、ちーが。



メシを食ってる証拠だろうな。



「風都ってどうして女が嫌いなの?」

「ウソつくから」

「それは人それぞれだよ」

「違うね。みんなそう。俺と関わってるヤツらだって」



口先だけの『好き』なんか欲しくねぇ。



セフレだって、男ができれば姿を消す。



俺と関わりたくて甘い言葉を持ってくる。



その言葉なんか、何一つ心に残っちゃいねぇ。



「好きだったんだろうな…マジで…」

「誰を?」

「ん、違うな。今も…忘れてねぇ」

「…………」



そんなに好きだったのか?



ランさんのこと…。



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