傷×恋=幸
うわぁ…。



怒ってる…。



「なにが言いてぇんだよ」

「なんで帰ってきたの…」

「ちーが悪い。わけわかんねぇ」



部屋に入ってドアを閉めて。



ベッドの下に座りタバコに火を着けた。



まっすぐな黒髪…。



触ったら…サラサラかな…。



風都の後頭部に手を伸ばし、髪を触った。



それを振り払うわけでもなく、風都はタバコを吸い続けてる。



「ちーにいろいろ言われる筋合いないと思わねぇ?」

「そうだね…」

「何様だよ、テメーは」

「風都が望むなら…ご主人様って、呼んであげる…」

「お前、俺のこと好きなわけ?」



なんて返事したらいい?



好きって言ったら…ここにいれなくなる?



風都は…あたしをいらないって言う?



「その他大勢には…しないで…」

「意味わかんねぇし質問の答えになってねぇ」

「好きだよ…、風都が…」



フーッと煙を吐き出した風都はなにも言わずにベッドに乗ってきた。



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