傷×恋=幸
ちょっと制服に乱れが…。



麻衣子はこういうのに慣れてるのか、少し離れたフェンスに寄りかかってニコニコしてた。



クロはこないらしく、いいとこを邪魔されたテツが大暴れ。



ふたりを任せて俺はこの偉そうなボケを…。



「暑い…」



な~んか一瞬で終わっちゃったなぁ~…。



弱いくせにケンカふっかけやがって。



「めんどくせぇからもう売ってくんじゃねぇぞ」



相手の髪を掴んだ俺の腕を握ったのはちーだった。



見てたの…?



「痛いからダメ」

「仕方なくじゃん」

「でもダメ」

「はいはい…」



冷めた。



暑いし。



どうでもよくなって屋上を後にすると、後ろからパタパタ走ってちーがついてきた。



「ケンカはよくないよ、風都」

「じゃあ見んじゃねぇよ。怖いなら目ぇ閉じて聞こえねぇように耳でも塞いどけ」

「風都…」

「俺は別に好きでやってんじゃねぇ。売られたから買っただけだ」

「…………」

「これが俺。イヤならさっさと逃げちまえ」



ムカつく…。



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