傷×恋=幸
もちろん、起きてきたサキさんは風都に怒りの鉄拳。



「親父だって飲んでたくせに!!」

「お前くらいの時は飲んでねぇよ。見たことあんのかよ、高1の俺」

「見たことねぇから言ってんだろ?」

「お前は昔から生意気すぎんだよ!!俺にそっくりだな!!」



それ、怒ってるの…?



自分のこともけなしてない?



「バカサキ…」

「実際どんな感じだったんですか?サキさんって」

「ん~、今の風都そっくり…」

「大変でしたね、ユズさん…」

「はははっ…ハァ~…」



キッチンにユズさんのため息が響いた。



確かにサキさんはやんちゃだったんだろうなぁとは思う。



でもきっと風都よりはマシですから。



あんなにステキなパパ、なかなかいないんじゃないかな…。



「酒なんか飲むなら趣味のひとつでも探して来い!!」

「趣味…」

「ん?なんかやりてぇことあんの?」

「ねぇよ!!あっ、バーテンダーになりたい」

「説教中に冗談ぶちかましてんじゃねぇ!!俺も昔それに似た言い訳をした」



似たもの親子…。



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