コレクター【完】
兄さんは笑って
あたしに言葉を放つ。
―――【お前は、キレイだよ。】
なんて、
兄さんに囁かれたら、
あたしが真っ赤になるのは当然だ。
「そ、…それで!次は誰がターゲットなの?」
分かり易すぎる
話のすり替えだと自分でも思う。
あたしは
真っ赤な顔を隠すために
俯いた。
だから
「ないしょ。――おいで。」
そう言って
手を広げる兄さんが
至極愉快そうに笑っているなんて、気づかなかった。