秘密の世界
リーダーが女を指さして言う。男が「そいつ」よばわりしているのを聞き、女も反撃した。


「ええ、その男は無理矢理で自分勝手で横暴なやつなんで、私が説得しようと提案したのです。」


男が舌打ちする。女はふんと鼻を鳴らし、そっぽを向いた。王妃はくすっと笑い、

「それでは、仕方ないですね、行きましょうか。」
そういい、歩き出す。

3人の警備隊をつれ、王妃は城を目指した。



城は黒い闇で覆われていた。周りには暗い霧があり、その中には何かが動いていた。王妃は堂々と正面の扉に向かう。周りで黒い塊が王妃に襲いかかろうとしているが、王妃の周りに一瞬で結界が張られ、王妃を守っていた。警備隊達は驚きながらも、王妃について行く。すると、警備隊達をも包む大きな結界に覆われた。王妃が扉の近くに来ると、扉は勝手にすーっと開いた。王妃は驚きもせず、その中に入っていく。


王妃はまっすぐ前を見据えながら、玉座に向かった。
玉座には今までより、より一層黒く、不気味で大きな陰があった。そこから、不気味な声が聞こえた。


『よく来たな・・・。』


「ここは、天界よお父さん。魔はここには入れないはず・・・。」


警備隊達が後ろで少しざわつくのが聞こえた。
けれど、王妃は続ける。


「・・・どうやってきたの?」


『ある者の協力でな・・・。』


「早く帰って!私はあなたとは縁を切りました。もう関係ないはずでしょう!?」


『・・・ああ。だが、お前達天使は、人間界にいた俺の部下を魔界に帰しているそうじゃないか?』


「それがどうしたのよ!」


魔王が王妃をギロリと睨む。それには王妃も1歩下がるが、ぐっとこらえた。


『困るんだ。そうゆうことをされると、こちらにも色々あるのでね。だから、交換条件だ。お前の大切な夫と民衆達をお前と交換してやる。』


魔王は側にいた召使いに、つれてこい、と1言いう。





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