秘密の世界

羽ばたく鳥

「王妃が死に、王は他にだれも側室を作らずに、1人で天界をまとめ上げていらしゃたんだけれど、その王も今は病気で倒られて、もう1人娘の王女しかいなくて、私たちは王妃の約束を破り、今日17歳になった王女に、こうして真実を話すことを決めたの。」

レミリアはそのときの恐怖のためか体が小刻みに震えていた。

「魔王がお母様を殺したの?だって、お母様は魔王の娘だったんでしょう?なんで?」


レミリアは顔をしかめる。


「あいつに娘もなにもないわ。自分の邪魔をするやつは殺す。そうゆうやつなの。そのときは、悪霊魔(デス・ゴレスト)自分の部下を魔界へ帰してしまう王妃が、邪魔だったのでしょうね。」


「えっでも、天使は全員魔界へ、その悪霊魔(デス・ゴレスト)を返せたんじゃないの?」


「王妃の力を借りないとできないの。今思えば、とても不思議だった。けれど、誰も王妃が魔王の娘だとは気づいていなかった。王だけは知っていたらしいんだけど。」


「お父様は知っていたの!?・・・知っていて、お母様を妃に・・・。」


「ええ。」


「そして、たぶん莉奈もその力を持ってると思う・・・。」


レミリアは苦い顔をしながら、続ける。


「私たちには、その力が必要。このままでは、人間界はおろか天界まで、魔の手にさらされるでしょう。今は、王の力があるけれどその力も弱くなっていて・・・。とても危険なの。また、いつ悪魔が来るか分からないし。また、あの悲劇が繰り返されるのは、私はいや!。だけど本当は・・・家族としてともに幸せに、暮らしていきたかった・・・!」


レミリアは涙を流し、訴える。


「大丈夫!私は死なないわ。きっと、みんなを救ってあげる。まかせて!」

レミリアは顔をあげ、涙を拭きながらうなずく。それを見て、莉奈はレミリアを抱きしめた。


「レミリアは私の2番目のお母さんだよ。私をここまで育ててくれた。今度は私が親孝行するからね。」

莉奈はほほえむ。それにつられ、レミリアの顔にも笑みが戻ってきた。













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