秘密の世界
トントンと扉を叩く音がした。


「王女。起きましたか?そろそろ時間です。」


レイヤが近づいてきながら、言う。そして、膝をつき頭を下げる。


「民が待っております。」


「前みたいにため口でいいのに。」


「いいえ、ここではきちんとリナーミ様を王女として接していきます。人間界では妹だけどな。」


そういい、莉奈の頭を撫で、扉を開け「早く来いよ」と口パクで言い出て行った。


「けっきょくここでも、ため口じゃん。」


莉奈は少し顔を赤くして、ふてくされる。すると、


「うれしそうだね」


とおじいさんが言ってきた。


「そろそろ、私も退散するよ。さっきから、メイドが王女を着替えさせたくて、うずうずしているようだからね。」


「えっ・・・?」


そう言っている間におじいさんが出て行き、どこから来たのか数人のメイド達が、莉奈のベッドの周りに集まる。


「きゃー。肌綺麗!さすが、王妃の子。やっぱり違うわねー。」

「これから、もっと綺麗になるわよ。」

「ああ、私も1度でいいからあんな綺麗な服着てみたい!」

「あんたは無理よ。あれは王女専用に作られたんだから。ウエストが入らないわよ。」

「何よ!失礼な!私だって頑張ればいけるわよ。」

「あっあのー・・・。」


それぞれに話すいろんな年代の女達に圧倒され、莉奈は戸惑った。すると、1人の女がそ
れに気づき、


「さぁ。王女これから私たちがおきれいにして差し上げますよ」
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