秘密の世界
「その目は今までの兄としての目?それとも・・・。」

レミリアは真剣な顔をして言う。


「分かってるよ。大丈夫、違うから。俺は警備隊だし・・・。」


「なら、いいんだけど。あっちは王女よ。もう、前みたいにはいかないわ。」


「ああ。」


レイヤは少し複雑な顔になり、決心したように前を見る。
その様子に、レミリアは少し心配していた。


「みんな!そろそろ、カーテン開くって。」


パタパタとこちらに走ってきて、告げる。


「あの向こう側に、いっぱいの人がいるんだよね。すっごいドキドキする!」


興奮しながら、カーテンの方に向かう莉奈とともに、警備隊達がついていく。


「堂々とするんだぞ。」


「しっかりね。」


「がんばれ。」


ガイ、レミリア、アルトの順に莉奈に励ましの言葉を告げる。この時ばかりはみんな家族だったときのように、莉奈にそれぞれ言った。次はレイヤだ。けれど、


「・・・・・・。」


レイヤが言う前にカーテンが開かれ、レイヤの声は多くの歓声に紛れた。


莉奈は首を傾げるが、すぐに前を向いた。
しかし、隣にいたレミリアにはレイヤの声が届いていた。それを聞き、レミリアは複雑な顔でレイヤを見た。レイヤは顔を赤くし、前にいる莉奈を見ていた。

< 26 / 33 >

この作品をシェア

pagetop