秘密の世界

扉を開けると、たくさんの人々であふれていた。みんな煌びやかな衣装で輝いて見えた。

｢あっ王女!!｣
｢王女がいらしたわ!!｣
｢リナーミ王女!｣

たくさんの人の拍手と歓声が聞こえる。莉奈は階段を上品に下りていく。そして、途中でいったん止まり、笑顔で

｢みなさん、今日は私のために来ていただき、ありがとうございます。今日は存分に楽しんでいってくださいね。｣

その言葉にまた歓声が起こり、パーティーが再開する。

莉奈の後ろでアルトが、やったねと笑い口を動かす。実はパーティーが始まる前に、アルトからこう言うようにいわれたのだ。莉奈はそれに気づき、笑い返す。すると、レイヤだけ居ないことに気づいた。

｢ねぇ、レイヤは?｣

莉奈はレミリア、アルト、ガイの３人に言う。けれど、だれからも返事が返ってこなかった。

｢大丈夫だよ、あいつは。それより肉、肉。｣

ガイはいつもより、ご機嫌そうだ。この頃、色々と忙しかったからご馳走が目の前にあり、はしゃいでいる。ガイはすぐに肉がある、テーブルに向かう。レイヤのことはこれぽっちも、気にしていないようだ。莉奈はため息をつく。

｢大丈夫よ、そんなに心配しなくても。男なんだから直に帰ってくるわよ。｣

レミリアが小声で話す。

｢なんで、小声なの?｣

莉奈もつられて小声になった。

｢そりゃ、他の警備隊の人もいるからよ。私たちは莉奈が王女になったとき、特別に王女の側で警備できる立場の天警翼（てんけいよく）になれたけど・・・。｣

｢あっそういえばそうだったね。｣