俺様男子と同居中…!?


”母さんは獅子堂という男と、大学時代から付き合っていた。”


と、使用人同士で噂してたのを後から聞いた。


ただの噂かもしれない。


でも…

もう疑う気にもなれなかった。


きっとそれが事実なんだろう。



父さんはただの浮気相手で。


僕はただの浮気相手との子供。




心底気分が悪かった。



誰も僕を愛してる人なんかいない。


”純”という名の少年は、あんなにも幸せそうに笑っていたのに。


どうして僕だけ…?


羨ましくて、そして妬ましかった。



自分の存在価値が分からない。


どうして僕は生きているんだ。


どうして母さんと父さんは…



僕なんかを生んだ?




その日の夜は、朝まで泣いた。


涙が枯れるまで泣いた。


この涙は、僕が物心ついてから、初めての涙だった。


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