俺様男子と同居中…!?


それからは、僕は一心不乱に勉強した。


学ぶことが好きだったというよりも、”何もしていない時間”嫌いだったから。


忘れることが出来ないと分かっていても、思い出したくは無かったから。

あの最高に気分の悪かった日のことを。


だから勉強に逃げた。



逃げてばかりの僕とは対照的に、父さんはやはり大人だった。

確実に前に進んでた。


母さんを”思い出”に変えたのか、それとも忘れたフリをしているのか、僕には分からなかったけど。


あの日から、父さんは何度か妻を変えた。

つまり僕も、何度も母親を変えたことになる。


そして僕が高校生になって直ぐの頃、父さんと、”新しい母さん”との間に”新しい子供”が出来た。


名は『隼人(ハヤト)』


男の子だった。


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