俺様男子と同居中…！？

「あーあ。
目真っ赤…」


理人くんはあたしの涙を手で拭う。


「…本当バカだよ、葵ちゃんは。」


そう呟いて、理人くんはもう一度あたしを抱き締めた。


さっきの柔らかい抱き締め方とは少し違う。



強く、強く…

ぎゅっと抱き締めた。



「り、理人くん？
苦しいよ…っ」


「…うん。」


…？

どうしたんだろう。


理人くん、なんか様子が変…？



「俺のこと思って泣くバカなんて、初めてだよ…」



そう言った理人くんの声は、かすかに震えていた。



…ああ、そうか。

泣いてるんだ、理人くん。



泣いてるの気づかれたくなくて、あたしを抱き締めたんだ。