おおかみくんと1週間
時刻8:30
学校中には定番の鐘の音が鳴り響き
教室からは焦って椅子を引く音や、やばい、遅刻だ、等騒ついていた。
しかし、教室に担任教師、
久遠 真(くどう しん)
が入ってきた刹那
ざわめきは一気に無くなりシンとした。
「よーし号令」
きりーつ、きょーつけー、れーい、ちゃくせーき
気の抜けた号令が終わり久遠はいつも通りホームルームをはじめた。
「まあ、今日もいつもと変わらないな。だが知っている奴もいると思うが転校生だ。入ってこーい」
久遠がそう言うと教室の閉められていたドアはガラガラと滑りよく開き、一人の男子生徒が入ってきた。
「今日から転入する、東雲狼だ。仲良くやれよ。東雲、お前の席は窓側のー…矢木の隣だ。おい、矢木起きろー」
睡魔に勝てなかった璃兎はやはり机に突っ伏し眠っていた。
「ちょっと、うさぴょん!起きなよ!」
璃兎の目の前の席の
紺野 水香(こんの みなか)
は必死で璃兎を起こす。
「なにー、みなちゃん…っ!!あ、あー!!昨日の!!」
目が覚めた璃兎は転校生、東雲狼を見たとたんに狼を指差し大声を上げた。
そう。
東雲狼は昨日璃兎が出会った謎の青年だったのだ。