Ryo×Ryo


「強がんなって!」

涼と名乗るその男は
無邪気に歯を見せて笑いながら
あたしの頭を
いくぶんゴツゴツとしている
十本の指でがっちり挟んで
ぐしゃぐしゃと撫でながら
そう言った。


「ばか!やめろ!」

あたしは涼のたくましい
両腕を掴み
頭をのけぞらせて
なんとかその手から逃れた。


「なれなれしいんだよてめぇは!
あんたが友達いないからって
あたしを巻き込まないで!
あたしはあんたと
つるむぐらいなら
一人でいたほうが
よっぽどましなんだよ!
ばーか!」

そんなガキくさい捨て台詞を吐き
涼に向かっていーっと歯を見せて
思いっきりしかめっ面をすると
あたしは勢い良く椅子から
立ち上がり、
机の間をすり抜けて
廊下に飛び出し、ダッシュした


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