ブルーローズ ~私が死んだ理由~
 なのに、耳穴をなめられては敏感に声で反応してしまう。男も余計に興奮する。そのまま手は胸へと伸び、彼は私の手を取って、自身のアソコへと導いた。
 初めての硬い感触…
 「さっきから、すごい痛いんだけど…どうにかして」
 「痛い」と言われても、女の私にはわからない。どうにかしてあげたくても、他人のアソコなんて見た事がないし、陰毛の量や生えてる範囲、色、ニオイ、形、大きさ…自分のアソコが皆と違っていたらと思うと、暗闇でも抵抗を感じる。元カノの比べて、劣ると思われるのが怖かった。
 すると、彼は私が下半身を差し出す代わりに口による処理を求め、次のデートを約束した後、一旦、別れのキス。
 翌日、メールで再度愛を確認しあい、幸せをかみしめる。
 一方、期待を裏切られた彼氏候補4人の反応は冷たく、「会う前に彼氏を作るのは約束違反だ」と、先に書いた市内・同い年の男性にいたっては、ひどくお怒りの様子だった。
 私は1人浮かれ、女のメル友にそれを報告しては、初Hに備え、下着とパジャマを新たに購入。
 店から帰ると、和哉からメールが届いていた。高熱で今日は会えないという。夜間病院行きを示唆する彼に、私は病状を重く受け止め、「熱が下がるまで、しばらくメール出来ない」との返信に、このまま彼が死んでしまったら…と、それだけが怖かった。
 愛に飢えた自分は、相手の負担になるほど愛を求めてしまう。求めるばかりで、逆に愛し方を知らない。
 ならば、せめて負担になりたくないとメールを我慢すれば、タイミングが良すぎて仮病じゃないか? からかわれていただけでは? 不安だけが先走りして、
 「私の事、嫌になったら捨ててもいいからね」
 「俺は忍を離さない。付き合うからには、結婚も考えてる」
 わざと別れを口にしては、それを否定する彼の言葉に1度は安心しても、すぐまた捨てられる恐怖に襲われる。
 たった2日メールが途切れただけで、自分がここまで脆いとは思わなかった。愛情確認のためとはいえ、別れても平気というような言葉を自分から言っておきながら、本心は捨てられる事を恐れている。
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