ブルーローズ ~私が死んだ理由~
 誰も信用出来なくなって、好意的なメル友さえ自分から切り捨てた。
 今はただ、あの人の愛が欲しい。他の誰かじゃ意味がない。3月14日 ホワイトデーまでに復縁出来なければ、その時は駅で待ち伏せして、目の前で死んでやろう…
 それまでは諦めるわけにはいかない。1日に何度も投稿しては、
 「まだ、死んでねぇのかよ?」
 「かまってほしいんだろ? かまってやるよ」
 実在しないアドレスからの200通近いメールボムの影響で、初代Lモードは買って2ヶ月で壊れた。2台目の購入で、貯金はついに底をつく。
 また、偽アドだと思ったshinobutadebusu@のアドレスは、悲しくも実在するものだった。
 それら嫌がらせの一部がふと和哉の仕業に思え、結果的に裏切った自分が悪いのだと、自分で自分に「死ね」とメールを送った事もある。
 それでもどうにか、悲しみを怒りに変える事で失恋を乗り越えたものの、「気になって、1日に何回もチェックしてた」と、私の妙な書き込みを楽しみにしてるファンまで現れ、持ち前のサービス精神からか、非難を受けつつ、書き込みを続ける事になる。
 一旦、まともな書き込みに戻るが、ある男とのであいが私を精神的に追い詰めていく…
 事件は、私が暇潰しに電話で話せる相手を募集した事から始まる。その時の相手が、袖ヶ浦在住の同い年の男性だった。
 「名前、何ていうの?」
 初っ端からいきなり本名を聞かれ、私は相手が地元の同い年という親近感から、正直に答えた。
 だが、男の話は説教ばかりで、和哉への未練がましい行為をグダグダと責めたてる。私には抑うつの他にイライラでも体を傷付けたくなる衝動があったから、説教に耐えきれず、何も言わず電話を切った。
 すると、男はすぐさま電話をかけ直してきて、
 「なんで何も言わずに切るんだ。失礼だ。お前、そんなんだから嫌われるんだよ!!」
 私が怖くなって電話を切ると、まだ何か言いたりないのか、何度も何度も電話をかけてくる。そのしつこさがストーカーみたいで、直接本人に「やめて」とも言えず、掲示板にこの事を書いたら、「俺には友達がたくさんいるし、同棲予定の彼女もいる。お前なんかにストーカーするわけないだろ」と、男は余計に逆上!!
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