ブルーローズ ~私が死んだ理由~
 また、時を同じくして私は遅刻を繰り返すようになる。生活は乱れ、部屋は散らかり放題。年頃のせいか、人前でトイレに行くのを恥ずかしいと感じるようになってからは、親戚が来るとトイレにも行けず、自室でその辺のビンや缶に用をたしては押し入れに隠す異様な日々。
 そのうえ、祖母が勝手に部屋に入り、掃除をし、何度もプライバシーを侵害されては、自分で掃除しても今度はゴミ箱の中身を1つ1つチェックされる。
 「コレは捨てちゃ捨てちゃいけない。まだ使える」
 物のない戦時中に育ったとはいえ、孫の私から見ればそれはただのゴミ女。そうやって、いつしか家も軒下も物で溢れかえっていた。
 私の出したゴミにしても、穴のあいた靴下を祖母が拾って履いてる程度ならまだいい。作文、私宛に届いた手紙、チラシの裏に空想で書いたラブレターも全ては、ゴミ箱から祖母に拾われ読まれ、燃やされる事なく持って行かれた。恥ずかしい以上に何か弱みを握られた気分になる。
 そこで何とか自分でゴミを処理しようとゴミ袋に入れて出せば、袋が違った事で私が出したとすぐにバレ、祖母が回収・中身をチェック。ならばと、自室でこっそりクッキー缶を用いた焼却を試みるも、今度は缶の中の灰が見つかって理由も聞かずに叱られる。
 無論、私に家を火事にする気など一切なく、祖母から1通の手紙が手渡されるが、誤字・旧字が激しく小学生には解読が困難だったため、そのあまりに衝撃な内容は8年先まで封印されるのである。
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