ブルーローズ ~私が死んだ理由~
 ホームページは順調。
 地道に宣伝し続けたかいがあった。検索ワードに市名を入れておいた事で、地元住民が自然と集まってくるようになる。
 外で同級生に会うのを恐れながら、ネットでの再会を仕掛けたのは、同級生全員が敵という考えを打ち消すためだ。実際、あれだけ人数がいれば、私を知らない人、好きでも嫌いでもない人がいるわけで、その中に味方を作る事が出来れば、自分にとって確かな自信につながると思った。
 思いがけず、チャットで加代と再会する事態もあったが、彼女は私と同じ高校出身だとか、今も嘘つきは相変わらずで、「私が代わりにイジメられてたから、あなたは友達がいたんだ」と逆恨みしてる割に、「一緒にスノーボードしに行こう」と言うので、それを言うならお互い様だろと思い、きっぱり断った。
 また別の日、同じくチャットに袖ヶ浦在住・同い年という男性が現れ、「彼女募集中」と言うのでメールをやり取りするようになるが、電話の声・話し方が別の『袖ヶ浦在住・同い年男性』に似てると感じ、交際を拒否。それを機に、妙な電話が多発するようになる。

 [ケース1]
 「まだ彼氏募集してますか? サイトに電話番号が載ってた」という謎の電話。
 相手は毎回違うように思えるが、質問の答えは皆同じ…「適当に携帯いじってたら出てきた。どこのサイトかはわからない」。

 [ケース2]
 男が裏声で喋っているような、泣き声に近い女の声で「あのぅ、サイトで有名な引きこもりのシノさんですよね? 今、すごくつらくて…メールで番号教えてもらったから、かけてみた」。
 おかしな点は3つ。
 ①和哉と知り合ったサイトでは確かに有名だったが、女が言うのは別のサイト。
 ②女のメル友は過去に2人いたが、女に電話番号を教えた事はない。
 ③心当たりがないので、証拠としてメールを転送するよう求めたら、「携帯が壊れてるから送れない。メールも見れない」。

 [ケース3]
 深夜2~4時、公衆電話または非通知で「早く死んでよ。今年の冬までには死ぬんでしょ? 冬までと言わず、今すぐ死んでよ」と、男からの電話。

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