ブルーローズ ~私が死んだ理由~
心満たされ、最高に楽しかった1日も、ただ1つ心残りは園児に「笹生先生」と呼ばれた事。本当は「忍ちゃん」と呼んでほしかった。
幼児愛好者の一部は、自分と同世代の異性とうまく関係が築けず、故に子供を恋愛・性の対象として見るという。同じく同級生に嫌われ続けてきた私には、子供を友達の対象として見る傾向があった。親や他の保育士とまともに話せない人間が、「保育園の先生になりたい」なんて言ったら、笑われるだろうか?
希望進路、決定…新たな一歩も、それから1ヵ月とたたぬ間に、今度は中退を決意する。
遅刻3回=欠席1回分に相当。
欠席4回(遅刻12回)で特別補講が決まり、1科目あたり5万円を払わなければならない。
日頃、遅刻の多かった私は、過去に1度、特別補講を経験した事があり、その際、母に「次は絶対に払わないぞ」と、きつく注意を受けていた。
その日は、あと1回遅刻したらアウトの教科が一限にあり、電車は間に合ったものの、運悪く乗り越してしまう。気分転換のつもりで変えた号車が、たまたま某駅の階段下だったらしく、奥へ奥へと押し込まれた結果、やっと身動きとれるようになったのは終点の東京だった。
「教育原理、特別補講ね♪」
担任の言葉はどこか嬉しそう。
私は泣きながら、この先、自分はどうすればいいか考えていた。「親なんて、何だかんだ言って払ってくれる」と、楽観するのは簡単だ。けど、今ここで母に甘えていいのか? 残り1年半、孤立したままやっていけるのか?
『中退』という結論を出すのに、そう時間はかからなかった。この学校に未練なんて1つもない。定期券が切れる日を、最後の登校日と決めた。
それまで何人もの仲間が辞めていったが、特別補講の5万が理由で辞めるのは、やはり皆、理解出来ない様子。「親に払ってもらいなよ」とか「せめて、夏休みのキャンプが終わってからにすれば?」と言う生徒もいたが、福岡の二の舞にはなりたくなかった。
学校を中退した場合、
「金がムダになった。学校行ってた意味がない」
「辞めても、今まで学校で学んできた事は人生のムダじゃない」
…母は間違いなく前者のタイプだろう。
幼児愛好者の一部は、自分と同世代の異性とうまく関係が築けず、故に子供を恋愛・性の対象として見るという。同じく同級生に嫌われ続けてきた私には、子供を友達の対象として見る傾向があった。親や他の保育士とまともに話せない人間が、「保育園の先生になりたい」なんて言ったら、笑われるだろうか?
希望進路、決定…新たな一歩も、それから1ヵ月とたたぬ間に、今度は中退を決意する。
遅刻3回=欠席1回分に相当。
欠席4回(遅刻12回)で特別補講が決まり、1科目あたり5万円を払わなければならない。
日頃、遅刻の多かった私は、過去に1度、特別補講を経験した事があり、その際、母に「次は絶対に払わないぞ」と、きつく注意を受けていた。
その日は、あと1回遅刻したらアウトの教科が一限にあり、電車は間に合ったものの、運悪く乗り越してしまう。気分転換のつもりで変えた号車が、たまたま某駅の階段下だったらしく、奥へ奥へと押し込まれた結果、やっと身動きとれるようになったのは終点の東京だった。
「教育原理、特別補講ね♪」
担任の言葉はどこか嬉しそう。
私は泣きながら、この先、自分はどうすればいいか考えていた。「親なんて、何だかんだ言って払ってくれる」と、楽観するのは簡単だ。けど、今ここで母に甘えていいのか? 残り1年半、孤立したままやっていけるのか?
『中退』という結論を出すのに、そう時間はかからなかった。この学校に未練なんて1つもない。定期券が切れる日を、最後の登校日と決めた。
それまで何人もの仲間が辞めていったが、特別補講の5万が理由で辞めるのは、やはり皆、理解出来ない様子。「親に払ってもらいなよ」とか「せめて、夏休みのキャンプが終わってからにすれば?」と言う生徒もいたが、福岡の二の舞にはなりたくなかった。
学校を中退した場合、
「金がムダになった。学校行ってた意味がない」
「辞めても、今まで学校で学んできた事は人生のムダじゃない」
…母は間違いなく前者のタイプだろう。